あなたもモンスターペアレント予備軍?(その1)そもそもモンスターペアレントとは?

まぐまぐ!の公式メルマガで、すごい詳しいレポートが転載可で出てましたので、ご紹介しますね。
■いじめより怖い「モンスターペアレント」の実態と子どもへの影響
●対策はある?教育現場を混乱させる権利意識過剰の困った親たち
最近よく、「モンスターペアレント」という言葉を耳にするようになりました。
ドラマの題材にもなりましたが、「具体的にどんなものかまではよく知らない」「本当にそんな親いるの?」と感じている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、
「モンスターペアレントとは何か?また、どのような要因で発生したのか?」
「モンスターペアレントが、学校や周囲の親・子どもに与える影響は?」
「子ども思いの親と、モンスターペアレントの境界線とは?」
といった疑問について、専門家の方に取材を行いました。
*谷 和樹さん  玉川大学教職大学院准教授
*河上 亮一さん 「プロ教師の会」主宰、日本教育大学院大学教授
*尾木 直樹さん 法政大学教授、臨床教育研究所「虹」所長
記事末には「モンスターペアレント度チェック」もあります。
この問題を理解する一助となれば幸いです。
◆◆権利意識を振りかざす親と対応に追われる教育現場の実情
●近年エスカレートする親の理不尽な要求
≪息子が注意されたことに腹を立てた父親、教師にケガを負わせ逮捕≫
埼玉県の公立中学で2007年11月、生徒の保護者が逮捕されるという事件が起こった。
昼食を教室で食べるように注意された生徒の父親(36)が、母親と学校に乗り込み抗議。話し合いの末納得したものの、父親は、先生につかみかかったためにサッカー部を休部になった息子を復帰させてほしいと抗議。
それに対し「どういうしつけをしてるのか」と反論した教師に、つかみかかって顔にケガをさせたというもの。
父親は公務執行妨害と傷害で逮捕された。
今、モンスターペアレントと呼ばれる親たちが社会問題化しています。
先ごろ放送された米倉涼子主演ドラマ『モンスターペアレント』にも表現されているとおり、学校や教師に対して自己中心的で理不尽な要求を執拗に繰り返す親のことを指します。
玉川大学教職大学院准教授の谷和樹さんに、教師を務めていらっしゃったころに遭遇したモンスターペアレントについて、お話しいただきました。
「あの子といっしょに学校に行くのがいやだから通学班を変えてほしい」
「通学班の集合場所が遠いので場所を変えてほしい」
などの要求を突きつけてくる親と遭遇したことがあるそうです。その他、
「授業中に携帯電話を持っていたから先生があずかったところ、『あずかっていた間の基本料金を払え』といわれた」
「授業中に母親が毎日乗り込んできて、『こんな教師の言うことは聞くな』と延々20~30分にわたって演説し、最後には教師に『土下座して謝れ』などと迫った」という話も聞いたことがあるとのことでした。
このようなモンスターペアレントへの対処策として、各自治体や教育委員会などでは以下のような対策が講じられています。
≪各自治体や教育委員会の近年の対策≫
2007年7月 
◎悪質なクレームの対応、外部委託に
     
文部科学省は08年度から、悪質なクレームの対応を外部の専門家に任せる「外部委託」を、一部の教育委員会で試験的に導入する方針を固めた
2008年3月 
◎弁護士や警察官、モンスターペアレント対策に専門家 香川県
香川県教育委員会は、モンスターペアレント対策として、弁護士や警察官、医師ら専門家を活用し、問題の原因分析や対処法の指導・助言をもらうなどする
2008年6月 
◎法務局が先生の「駆け込み寺」石川県
モンスターペアレントの対応に苦しむ石川県内の教員が、金沢地方法務局の人権擁護の相談窓口を利用するケースが増えている。
同法務局は、法的な助言や法律事務所を紹介するなどの援助を行っている
◎モンスターペアレント対策に警察官OBを採用
大阪府堺市の教育委員会は、大阪府警OBらを「学校危機管理アドバイザー」として採用
◎給食費滞納に法的措置 福岡県
福岡市は、経済的理由などがないにもかかわらず、給食費を長期間支払わない世帯に対し、法的措置に踏み切る方針
2008年7月 
◎教員負担を軽減のため、調査開始
文部科学省は、11の教育委員会に委託して、教員の負担軽減のために調査研究を開始。
理不尽な親の要求への対応方法や過重労働と精神面の相関関係などを1年間にわたり研究する
モンスターペアレントは一般常識では考えられないような、理不尽な要求を突きつけてきます。
その執拗な追い込みに耐えきれず自殺する教師まで出るほどで、子どもを持つ親にとっては決して無視できない問題です。
なぜこのような人たちが登場するようになったのでしょうか?
●誰でも可能性はある?専門家に聞くモンスターペアレントの条件
モンスターペアレント誕生の背景について、長年にわたって中学校の教育現場に携わり、『学校崩壊』などのベストセラーを世に送り出してきた河上亮一さんにお話を伺いました。
≪河上亮一さんプロフィール≫
東京大学経済学部卒業後、中学校教師となる。プロ教師の会(埼玉教育塾)主宰。2000年教育改革国民会議委員。2004年に川越市立初雁中学校教諭を定年退職。現在、日本教育大学院大学教授、埼玉県鶴ヶ島市教育委員。
河上さんによると、昔は学校そのものが親や地域の大人たちに支えられていて、教師の言うことは聞くものだという認識があったから問題にならなかったのではということでした。
しかし、河上さん自身が教員だった1985年、子どもが劇的に変化したのを感じたそうです。
特徴的にいえばきわめてひ弱で、傷つきやすくて、傷ついたときに自分の殻にこもるか、あるいは相手に対して暴力的に向かっていく子どもたち。
1985年に中学3年だった子どもたちは今38歳で、子どもがいるわけです。
これは断定できませんが、そういう子どもたちがモンスターペアレントになっている可能性も考えられるかもしれません。
しかし、河上さんは「日本の大人たちの大半が、モンスターペアレントと同じような価値観を持っている」と指摘しています。
圧倒的多数の親や大人たちの価値観が「損得」とか「自由」とか「自分第一」という方向に傾いていれば、それはモンスターペアレントの行動の価値基準と同じといえます。
つまりモンスターペアレントはまったく別の場所にいる人種ではなくて、大多数の人たちの最先端であるというのです。
次回は、モンスターペアレントにはどんなタイプがあるか、また自分や周りの親たちの“モンスターペアレント度”がチェックできるテストをご紹介します。

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